マンションのメールボックスを開けると、
往復はがきが。
大概、こういうのは、同窓会だよな。
って、まさに、同窓会の知らせだった。
記憶に無い名前の差出人。
35期3年2組と書いてあった。
んー、俺って3年2組だったっけ。
先生の名前は覚えてるし、今も賀状やりとりしてるけど。
当時の級友とは、現状、付き合いは、ない。
しかし、よく、この住所がわかったもんだ。
自宅にでも、電話したのかな。
ここは、サダチル様のお城だぜ!
ナンテ。スカイツリーよりも頑丈だ。
台風ごときで、エレベータは止まらないからね。
いろいろ、はがき、眺めて、思い出すと、
どうやら、2年、3年のときのクラスのようだった。
まあ、当時は、若き悩みをかかえて、
一人、流離った街かど。
思春期の真っ最中、ありがちなことだ。
受験勉強して、サラリーマンなんてなるよりも、
伊勢正三のような、アーチストになりたくて、しょうがなかった。
でも、現実は、厳しいもんだ。
もっと自由に、誰もが、思い通りに生きて行けたらいいのに。
皆さん、まだ、この近辺で暮らしているようで。
幹事の女の子は、確か、陸上部の足の速かった、あの娘だ。
細くて、いい感じだったけど、
何か、ちょっと間違えると、宇宙人っていう、感じの、だいたいわかるでしょ。
福島千里なんかより、温度のない、血の気の無い、タイプ。
って俺も、女の子はよく覚えんだな。
今じゃ、娘が、その歳なんだな。
大学時代に、一度、やったきりだったな。
上野高校の同窓会は。
まあ、ぶらり、行ってみるか。