小さいころから、毎日のように、
今日は、運がいい、悪い、考えていた。
1日おきに、ついてる、ついてないって、運勢は変わるんだと思っていた。
母親はよく、俺に何かあると、
「お前はついてないんだよ」と、
俺に諭して、慰めていた。
自分が天中殺のときの子供だから、
きっとこの子はついていない人生を歩むと思っていた。
開きなおれば、ミスをする、
慎重に深刻になれば、何も進まない。
その中間が、「普通」
なんだと思う。
今日は、有明テニスの森で、初テニス。
駐車場を降りて、クラブハウス前で、
声をかけられた。
ビックリ、会社の元同僚ではないか。
俺と同じテニス好きで、年も1つ俺の下で、
何かと、似ているタイプだったかもしれない。
しいて言えば、俺なんかよりは、
生き様は、器用な人。
去年は、大井ふ頭で、一緒に、テニスをしたんだな。
あれから、一年が過ぎてしまった。
そして、今は、会社の同僚ではなくなったんだ。
でも、もともと、テニスだけの付き合いしかない人だった。
これも何かの縁、そして、運が呼び寄せた友情か。
テニスのほうは、
幸先いいスタートで、サービスゲームもキープだった。
しかし、徐々に、調子を崩し、
なんだか、チグハグになり始めた。
挙句は、最後に、勝負球、
得意のサービスエースをねらったら、
前衛の人の後頭部へボールが、当たってしまった。
これで、何もかも崩れ落ちた。
でもとても、精悍な方で、
「気にしない、大丈夫」と、
サバサバした人だった。
近年、このようなテニス愛好家をみたことがない。
聞くことによると、一年のうち、海外勤務が大半だという。
きっと、そうした海外のテニスで、磨いた人だから、
はきはきとなんでも言うし、
味方のミスは、Don't mind
の姿勢なのかもね。
すっかり、俺は、委縮しちまった。
今年は、粛々とやっていこう。
そうさな、1つだけそんな、運を感じない場所がある。
いつそこへ行っても、
ついてるも、ついてないも、無い、
普通でいられる場所が、あるんだ。
不思議でならない。すべてが、そこでは、普通なんだ。