と,昔,ラジオ番組で,NHK FMだったかな,伊勢正三氏は語った.
それは,「夕べの広場」という月~金まで,夕方6時からだったと記憶しているが,45分ぐらいの放送時間で,曜日ごとに,進行役のアナウンサーも違い,音楽のジャンルも,月曜:フォーク,火曜:ポップス,水曜:映画音楽...という感じの音楽番組で,毎日楽しみにしていた.
そして,祝日のときは,アーチストがパーソナリティを自らつとめ,スタジオライブのような形式で,放送されるのを,初めて聴いたのが,
「風ライブ」という時だった.たしか,9月頃だった気がするので,ちょうど今から,44,5年前のことだ.「22才の別れ」のオープニングで始まり,
衝撃を受けた!
すぐさま,次の誕生日に,御茶ノ水の谷口楽器で,オヤジにせがんで,YAMAHフォークギターを買ってもらった.
当時のラジオは,今尚,カセットにとってある.
そんな,フォークデュオ「風」の存在を知ったのもつかの間,1年ぐらいで,解散してしまった.
サダチルシアの場合,ビートルズも風もかぐや姫も,みんな後追いで,現役時代をほとんど知らないんだ.パコ・デ・ルシアさんもそのうちの一人.
そんな風の伊勢正三の盟友 大久保一久さんが,9月12日,亡くなられたのを知った.
2008年には,JCBホール(現:東京ドームシティホール)にて,「風 再結成コンサート」が行われるはずだったが,リハーサル中に倒れ,中止となった.サダチルシアもチケット取れていたのに,とても,残念だった.
大久保氏をサダチルシアが見たのは,伊勢正三がソロになり,1980年夏の日本武道館でのコンサートで,アンコールで,「ささやかなこの人生」を歌うとき,大久保さんがかけつけて,一緒にステージで演奏した姿が最初で最後だった.まもなく発売の「THE 伊勢正三」4枚組ライブCDに,この演奏が含まれているようだ.ブルーのOvation Super Adamasaというお揃いギのターを弾きながら,2人仲よく演奏している姿を是非,思い出しながら,聴きたい.
「風」の思い出の品々
共同音楽出版社「風の世界PART5」
当時,かぐや姫,吉田拓郎,南こうせつ,山田パンダ,イルカ,NSPらが,同「〇〇の世界」シリーズで発行されていて,風はシリーズPART6まであるが,サダチルシアは,PART5, PART6の2冊しか入手できなかった.
PART5は,風としては,最後のオリジナルアルバム発売のときのインタビューが収められている.
作詞についての質問に対して,大久保氏が,「最初にストーリーを書いて,それを詞に書き換える」と語っていたのを,俺は,44,5年もの間,覚えている.俺も弾き語りライブやっていた頃,オリジナルソング書くときは,いつも,小説のように頭に浮かべて,メロディーが浮かび,その譜わりに合わせ,最終的な言葉の選択作業をしていたのは,大久保さんのこのコメントが影響しているのかもしれない.
大久保一久さん作詞・作曲「あとがき」(風5thアルバム「Moony Night」収録曲)を,カヴァーさせて頂いた際の映像を,まことに,おこがましいですが,哀悼の意を示したく,掲載させて頂きました.もう11年前ですが,ライブハウスでの演奏はこの頃を最後に,サダチルは引退し,今は,サダチルシアと改名し,フラメンコギターに勤しんでおります.
大久保一久さんへのレクイエムの「あとがき」をここに記します by サダチルシア