マドリード・オープンの男子決勝、すごかった。
今年、初の試みの、ブルー・クレーという、土に青い染料をつけた、テニスコートで、
足をとられ、途中、水がまかれ、整備され、
色もだんだん剝げて、白っぽくなって、
選手には、あまり、いいコートサーフェスでないような話も出ていた。
とっくに敗退していて、来年は、来ないと語ってるぐらいだ。
その最悪の試みの男子決勝カードは、
ベルディヒは、確か、2年前は、日本語読みは、ベルディッチ、
だったと思う。
このように、放送、報道上の発音の取り決めが、外国選手にはあって、
局の取り決めだけえなく、
選手サイドの意見により、
変わることがある。
2年前のウィンブルドンの大会で、初めてみたときは、
サーブの速い選手と思った。
しかし、今大会では、ストロークもかなり、強烈な破壊力ある、
パワフルなテニスをしていたのが、眼を見張るところだ。
30才になった王者フェデラー、
テレビをつけたときには、第一セットを落としていた。
以前は、出てくるたび、ヤナ奴だった、そんな印象すらある、
強すぎるオーラが、
徐々に、普通の人へと、戻っていくかのように思えた。
試合巧者は、ベルディヒ!
強烈なショットで、押していた。
しかし、第2セットは、接戦の末、フェデラーがなんとか、ワンセット挽回し、
勝負の第3セットになると、
一見、受け身のフェデラーが、
徐々に、ベルディヒを、崩していく。
第12ゲームでは、
ドロップショットを織り交ぜたときに、ネットにあたり、コードボールが、
アウトし、
そこから、フェデラーの強かというか、
静かに、自分のペースを、掴みはじめていたと、俺は思った。
ダウンザラインで、エースをとれないと、
ベルディヒのバックへと、切り返す。
それを、ベルディヒが、
逆に、ダウンザラインへ、ウィナーにしてしまうパターンが、幾度かあった。
エンドラインの深いところへと、集まり始めると、
サイドに振られ、打ち切れないときのミスぐらいしか、
ポイントが取れなくなる。
そして、とうとう、シナリオは、書き換えられたのか、
それとも、シナリオどおりだったのか、
フェデラーが、大会を制した。
劣性のときは、あせらず、じっくりと、自分のペースに来るのを待っている。
プロとて、全部の打球をミスしないわけがない。
その僅かなミスが、このハイレベルな大会では、
勝敗を決めてしまう。
ミスは、二度と取り返せないのだ。
ほんと、僅差で、フェデラーの優勝となった。
途中、何度も、フェデラー時代は終わりなんだとさえ、思わされる場面があった。
メン・イン・ブラックのウィル・スミスが、見に来ていて、
優勝者へのプレゼンターとして、
映画で着用の、黒いスーツを、
フェデラーへ、授与された。
しかし、あれだけの強烈ショットを連発して、
よく、コートに入るなと、俺みたいなアマチュアは思う。
大概、思いきり打つと、アウトしてしまうから。
それが、見事に、コートに入って、打ち合いになるから、スゴイんだよな。
かなり、苦戦を強いられた様子だったが、
結局、勝ってしまう。
そして、その勝者の姿が、とても似合う男だ。