薄暗い、体育館のような、会場だった。
高校の同窓会に俺は、出向いていたようだ。
9月に30年ぶりに会ったから、さほど、懐かしさもなく、
ぼんやりとしていた。
ひょっこり、小柄な男が視界を横切った。
それでも、ぼんやりとしていると、
中学の同級生のT子が、やってきた。
「T君もきてるのね」
と、T子は、話かけてきた。
「やつは、病気で入院しているはずだけど、退院したのかな」
気が付くと、あたりは、いつの間にか、
中学時代の同期生ばかりが、集まっていた。
皆と話したい気もしたが、
T子に釘づけになった俺は、
2人で、会場を出た。
T子は、メットをかぶり、ラッタッタにまたがった。
俺も、これは、夢だから、きっと、
その辺にあるバイクに、またがると、エンジンかかるものだと、知っていたので、
バイクをふかした!
思いどおり、バイクは、エンジンがかかり、
T子と、横に並んで、
昼間なのに、モノクロームの色した、夢の中の、薄暗い国道を、
普通に走った。
たどりついたのは、
区の公民館のようなところだった。
大広間に入る前に、
俺とT子は、
階段で、待たされて、
式の段取りを、自治会長らしき人に、とりもたれていた。
2人は、何の変哲もない表情で、
この流れに、従っていた。
どうやら、俺とT子の結婚式が、間もなく、行われる様子だった。
しかし、俺もT子も、
これは、夢だから、何食わぬ顔して、
スマホから聞こえてくる、
アラームの音を、2人で、階段に座り込み、仲むつまじく聴いていた。
目が覚めるや否や、
「なんでまた、あんな夢みたのだろう」
なんて思いながら、
スマホのアラームのスクリーン表示中の画面を、スワイプして、メイン画面に切り替えた。
眠りが浅かったようだ。
睡眠のゴールデンタイムは、
夜8:00~深夜2:00だそうだ。
最近は、その時間帯のいずれかで、3時間も寝れば、
さほど、長い時間寝なくても大丈夫な気がする。
ナポレオンが、3時間しか睡眠しなかったってのも、
うなずける。
春近きや。
とても寒い冬だった。
膝を痛めてから始まった、
数々の老化現象。
んーでも、
俺も人並みに年をとっていくことに、
安堵感を見出していた。
今朝は、完全に、
鼻血止めの綿球を、右鼻に入れるのを忘れ、
膝痛をサポートする、SKINSアンダーウェア(サーモ式ジャパンフィット)も、
はくのを忘れ、
オフィスへと、ラッタッタではなく、
チャリンコを走らせた。
すると、反対側の通りを、
テニス仲間の奥さんが、
自転車で、走り過ぎていった。