サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

そば代無料まで極めた立ち食いそば屋

少々、小雨で、夏でも、温かいのが食いたい瞬間が、ある、それが、今日みたいな日。
 
今週、とあるそば屋が、昼になると、いつもより、すごい行列になっているのを、見かけた。
まさか!あの日の再来か?
 
俺は、出社するとき、よく、この立ち食いそば屋へ、
朝食に、27~28才の頃から、通っていた。
実は、この店に初めて、よったときのこと、今でも覚えている。
 
そばを頼むと、
「本日、190円です」
とかって、やせ細った店長らしき男が、つぶやいて、
一瞬にして、そばを出してくる。
 
俺の中では、なぜ、
本日、190円なのか、
と、ずっと思っていた。
 
それ以来、その店で、その安い値段に変更の日は一度もなかった。
店内の張り紙には、
当店は、30年このそばつゆの味です。東京一安いと自負してます
というようなことが書いてあった。
 
そして、今日、その路地で、
やはり行列になってるではないか?
 
さすがにチャリを止めてみると、
6日間無料 5周年記念」という
イベントだったのだ。
 
常連さんは、この店のオーダーの仕方をよく知っていて、
そば
種物
の順でコールする。
ところが、
「たぬきそば」
とか、
「春菊」
「うどんで」
とか言うと、
店員のリズムが狂って、
生産が、遅くなるんだ。
正しくは、
「うどんで、」
「春菊」
なんだ。
 
そして、平均、300円もしない価格で、何度も、
「どーも、でした! でした、どーもでぇ」
という独特の店長の礼の発音が、耳に着く。
 
まるで、店長そのものが、そば製造機のような、
そんな印象ですらある。
 
俺も、しばらく通わなくなっていたが、
さすがに、この行列には、便乗したくなり、
無料のそばをいただいた。
K店長は、もう表には出てこないというか、
新店舗でも進出しているようだ。
元々、六文そばという、日暮里、アキバ、お茶の水あたりにある、
暖簾だったのだが、
そこから、この店長だけ、独立して、自身の店を構えて、5,6年になるんだな。
 
やはり、
「でした、どうもでぇ」の節と、
計算の素早さ、
表情を変えずに、
そばを次から次へと作る動作が、
見事なパフォーマンスで、
きっと、独立を測ったのかもね。
 
一種の名物でもあったんだなと、今さらながら、
俺は、思う。
そして、ただ、腹を満たすだけでなく
朝っぱらから、このテキパキとした、
手裁きに、
サラリーマンも、
愛妻? 生活疲れした家での朝食よりも、
目を覚まされたことだろう。
 
強いて言えば、
あのK店長の裁きが見れないのと、
天ぷらが、ちょっとカスカスの感じだったことから、
そばは無料でいいけど、
ひょとして、余った具と、古くなったてんぷら粉の処分か?
って気がしなくもない。
 
ムカツクのはこういうのに便乗して、
わけわかんねえで、無料につられて来る客が、
たらたら注文するとき、種物何にするか考えこんで、さすがに、店員も
キレテ
「並んでる間に、考えておいて」
「そば代、ただ、だから、天ぷらだけ、どれなのか言って」
「銀貨で、できるだけ払って」
と、まあ、アベノミクスで、一番繁盛してるんじゃないか?というか、
蕎麦ノミクスだ。
 
まあ、夏の風物詩になるかも、来年は、7日間無料を目指すとのことです。