サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

サダチル~あんそろじー

2006年 5月 サダチル ライブハウス デビュー
 
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あれは、雨の土曜日だった。
会社の研修で、土曜出社。
先輩社員のお誘いで、神田の昭和という、フォーク居酒屋へ、
夕方、激しい雨の中、行ってみた。なかなか見つからなかった。
今ほどGPSも発達してなくて、もう帰ろうかとさえ思ったとき、ぽつんと、
ギターの看板が立っていて、その地下が、店だった。
 
客は、まだ誰もいなくて、店員さんが、
「今のうちですよ」と。
店のギター借りて、すぐさま、演奏したのは、俺が、学生時代、同期生と作ったオリジナル、
幻のノクターン
すると、ママさんが、スタッフに
「正やんの曲?」と尋ねている声が、歌いつつも、耳に入った。
 
どうやら、この店は、フォークのカヴァーをやる店だと、そのとき、悟った。
 
やがて、店は、自分よりも年齢は上の人が、圧倒的に多くて、埋まった。
ルールも空気もわきまえず、俺は、
かぐや姫の曲を、やりたくしょうがなくて、うずうずしていた。
 
見知らぬ客が、「どなたか、一緒に、おもかげ色の空やってもらえませんか」
なんて、言われると、すぐに、ステージへ上って、ジョイントした。
 
その次から次へと、かぐや姫ナンバーをこなす俺に、スタッフ(のちに、あるイベントで同じ土俵で、再会し、まさかあいつが、このステージにと、茫然としてた)が、
少々、嫌な顔をし始めた。
 
つまり、そろそろお帰り下さいの意味だったのに気づかず俺は、ギターを借りたまま、
ドアの外の階段で、練習しては、次の自分の順番を待ったもんだ。
 
ようやく、先輩が、退散の判断をして、店を出た。
しかし、わりと早くから店にきた、同級会のフォークメンバーというおっちゃん達は快く、
会計のときも一緒に出てきて、
「また、やろうね」と、まんざら、気分を悪くしている様子ではなかった。
 
そして、先輩と以前にも行ったことのある、鴬谷のWhat's Upという、
ライブ・フード・バーへ行った。
だいぶ前にも、ここで、壁にぶら下がっていたギターを借りて、朝まで、歌ったことがあるのを思い出した。
 
あなたとはじめて 出会ったのは
坂の途中の小さな店
あなたはいつも 唄っていた
安いギターをいたわるように。。。
「あの唄はもう唄わないのですか」 風(作詞・作曲:伊勢正三
 
そんな雰囲気のただよう、
鴬谷駅の北口のこじんまりした、バーだった。
 
雨で、ズブ濡れで、重いドアを開けて、先輩と、テーブルに座った。
マスターとスタッフがいて、
若いほうのスタッフが、
「ボクの企画なんですけど、毎月第二土曜日に、アコースティック・ナイトという、ノルマ無しのイベントやるんですが、出ませんか」と、
先輩に語りかけた。もちろん、先輩のほうは、快諾。
そして、マスターが、
「サダチルさんも、一曲いいのあるんだから、どう?」と。
それは、以前に、俺が演奏した、「幻のノクターン」のことだった。
マスターは、覚えていてくれて、俺にも、チャンスをくれた。
 
冒頭の写真は、
マーチンの「バックパッカー」という、
ミニギターだが、
ピックアップ付きで、ライブでも使える、持ち運びのしやすい、ものだ。
 
キャバーンクラブのような、この坂の下の、小さな店で、
ライブ活動は始まった。
たかが7年ちょい前の出来事だったんだな。