秋まっさかりに近づいてきたせいか、
食欲も旺盛。睡眠も十分。
かれこれ、4年になるかね、この重いドアを開けたのは。
飛び入りセッション・ナイトとやらが、行われているようで、
ドアの窓から少しのぞいてから、
店に入ってみた。
入口で、マスターらしき人が、いたんで、
「エレキだけ?」と尋ねてみると、
「オールジャンルです、アコースティックでもいいですよ」と。
少し間をおいて、
「あれ、以前、ここで、弾き語りしていた人じゃないですか?」と聞かれ、
「そうです、サダチルです」というと、
「あーそうだ、サダチルさん、タケですよ」と言われたが、
あまり、このタケさんは、俺は記憶がなかったが、
第二土曜のアコナイトでは、シフトで、たまに来ていたという。
オーナーは今、門中に新たなる店舗を構えたという。
店内は、ドラム、エレキ、ベースで、
ギンギンのロック、ブルースのセッションだった。
しばらく、一人で飲んでいると、
タケさんから、
「サダチルさん、そろそろ、弾き語りどう?」
と言われ、
4年間のブランクがあったので、自信はなかったが、
ちょっと1曲と、やってみた。
しかし!
やはり、途中で、止まってしまった。
そんなんで、少し、酔いざまししながら、店の外で、アコギで、
練習させてもらった。
ベース弾いてたおっちゃんが、タバコ吸いに外へきて、
「んー、その弾き方でいいんじゃないですか」と、
あまりにも、かっこつけようとした俺に、アドバイスをしてくれた。
再度、店に入ると、
改めて、チャンスをくれた。
とりあえず、アコギで、最近、家で弾いている、
Yesterdayのソロギターを弾いてみた。
便乗して、ベースが入り、
ボーカルも参加してくれた。
いい調子で、気分ものってきた。
なんとか、完奏。
こうして、見ず知らずの人の中に紛れて、
俺のギターなんて、どうかな?とかって、自分でも思ってしまうのに、
ホント、この店は、そんな俺でも受け止めてくれる。
4年のブランクはでかいな~。
当たりまえのように出来たことが、もうできない。
でも、気分も大事なんだなってことを知った。
それと、アーチストのコピーをやること自体が、
結構、大変なことだと知った。
あの頃は、オリジナル曲ばかりだったから、
比べられる対象もなく、
自己満足に浸ってさえいればよかったんだ。
あえて、こういう、
コピーバンド系の音楽好きの集まりの中に、
飛びこんでみて、
皆で楽しむという目的としてのセッションの趣旨に合わせ、
こなせるぐらいでないと、通用しないことがわかった。
テニスも同じで、
ダブルスでゲームするからには、
パートナーとの連携を勉強しないと、
いいプレーもできないし、自分はおろか、
組んだ相手は迷惑なんだということ。
せめて、ビートルズ、練習してから、今度は、
飛び入りするとしよう。