サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

7連覇~そしてこれから

世界体操が終わった。

王者 内村航平

7連覇と言う大きな期待と記録を背負って臨んだが、
まさかの跳馬で、怪我をして、棄権という結末。

今となっては、金メダルしか似合わない選手。

初出場した北京オリンピックのときは、まだ、青くて、
ボサボサした寝癖で立ったような髪のまま、
競技をしていたが、早くも個人総合で、銀メダルと、
頭角を現した。

体操と言えば、モントリオール5輪で、
月面宙返りで世界をあっと言わせた、
塚原光男さんが、俺の中では、
小学生時代から、
焼き付いている。

今尚、多くの鉄棒での、最後のフィニッシュは、
月面、伸身の月面を使う選手が多い。

内村の体操の演技は、
ひとつひとつに、神経がいきわたり、
完璧だ。

それだけに、どこか一つ、
曖昧さがあると、
次の完璧な工程へと、
自分の中の作業場が、止まってしまうのだろう。

鉄棒、平行棒、床、
どれをとっても、確実に、
機械が、複数の工程を、作業していく工場のように、
すすめているかのように見える。

今回は、跳馬で、着地後の怪我であったが、
得意の鉄棒だったら、
もっとダメージが大きかったのではなかろうか。

自分の好きな体操。
中でも拘りのあるのが、鉄棒だろうから。

それは、いろんな人に相通じることなのではないかな?

自分の好きなことで、心が折れるほどの失敗をしたら、
何もかも失ったような思いだろう。

きっとそんな部分で、応援している人も多いのでは。
「鉄棒で、手をクロスさせ握り変え時点で、失敗するなョ」
「カッシーナやめといて、安全策で」
とか、手に汗握る瞬間が、
あの短い演技の間に、多々ある。

審査員には、事前に、演技のプロセスは、
申告しているにも関わらず、
なぜか、シナリオどおりいかない、
このドラマ。

まさに、内村は、
体操の演技で、
お茶の間に、
ドラマを届けてくれている。