日暮里に３件、
アキバから上野に１件、
御茶ノ水に１件、
六文そば
という立ち食いそば屋がある。
サダチル、実は、このそばはうまいと思っている。
しかし、日暮里駅前は今、再開発で、
あちこち、プレハブでの経営を余儀なくされている。
それで、２号店の店長らしき人が、朝っぱらから元気よくて、
金勘定がすごく速くて好きだっあんだけど、
３年ぐらい前からどうも不調のようで、
サダもあんま行かなくなってきたんだけど、
そこのゲソ天そばが、290円で非常にうまいんだ。
そんな高い金はらったって食えねえ、このゲソとの相性。
俺は最高だと思うぜ。
それで、何が今日はいいたいかっていうと、
２９０円あれば
俺の家から渋谷へいけるってこと。
今日、久々に渋谷へいきました。
目的はいえませんが、軟派じゃありませんよ。
渋谷に最近、異変がおきてるのではないかというぐらい、
実は、何か硬派な志向があると思って、
それを感じ取るための半日のつもりが
１日かかりました。
外国の文化もかなり入り込んでいる。
反面、日本的な要素、下町風の局所的な場所が再現されていたりと、
いろんな面で渋谷は、何かごちゃまぜ文化を持っている。
高校１年のとき、初めて渋谷へいった。
結局、そこは、噂の派手さも感じられない、
下町に毛の生えた程度の、町に過ぎなかった。
今日も腹減ったけど、せいぜい生きたい店は、
長崎ちゃんぽんでおなじみのリンガーハットぐらいだった。
かつての東京という勢いがないことを知った。
俺は、今、浅草までチャリで、すぐのとこに住んでるが、
皆、年取るとこの辺に集まってくるんだな。
若い頃、渋谷、新宿、原宿、六本木、銀座で遊び歩いて、
最後は、ここで、何か本当の人生の終焉をエンジョイする場所に選ぶんだな。
チューハイ片手に酔っ払って、
花見したり。
孫連れて花見。
夏は墨田川で花火。
全国規模で、この場所に最後の楽しみを持ってくる。
高齢化社会のもたらした、
ひとつのアミューズメントでもあるんだな、浅草ってやつは。
そのためには、
若い頃、渋谷ハチ公で待ち合わせてデートとか、
銀座で気取ったレストランでフルコースとか、
そんな若い頃の恋のやりとりがないと、
この浅草での最後の逢引は味わえないんじゃないの。
