サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

小林繁逝去

おそらく小学生の頃だったろう。
ジャイアンツV9時代が終わり、スタープレーヤーを揃える方向性を、
示唆する、そんなプロ野球の移り変わりを、
子供ながらに見ていた。

長嶋引退後、王とファイターズから移籍してきた、張本の時代。
そして、堀内、高橋一三らが全盛期を通り過ぎた頃、
小林繁小川邦和という、サイドスローアンダースローの、
くせのある変化球ピッチャーの時代がやってきた。

個性的な投球ホームを、よく真似たものだ。

しかし、2人ともジャイアンツには根付くことはできなかった。
小林を最後に見たのは、後楽園での広島戦で、
1-0の投手戦の完封勝利。
外野にほとんど打球は飛ばず、なんだか、ぼんやり親父と観戦していたのを憶えている。

その後、あの江川とのわけの分からぬトレード。
そうまでしないと成立しないプロ野球界の人気商売の限界を垣間見た気がする。

かたや、小川邦和は、大リーグへ挑戦したが、メジャーにはいけず、
帰国後、広島へ入団したが、結局、いつの間にか、いなくなっていた。

そして、江川自身も、大した記録もないまま、
肩を壊し、球界を去った。

なんとも、不遇の野球人であったことだろう。

普通の人よりは、遥かに、野球の素質があるにもかかわらず、
野球ビジネスに潰された、江川、小林。

夢を売る商売の陰で、裏では、様々な人々が、苦しみ、もがいているのだろう。

小学生の俺に、夢をくれた、個性あふれるサイドスロー小林氏のご冥福をお祈りします。