被災地の大変さはもとより、
首都圏もマヒだ。
仕事が入ってこない。
ただでさえ、長引く不況で、仕事が薄いのに。
これでさらに、仕事はなくなるだろう。
オフィスで難民になっていくことだろう。
日経平均の物語っていたのは、この危機だったんだね。
俺は、20年前に、証券マンの仕事を辞めた。
入社するや否や、客がたくさんついて、一躍、トップセールスのルーキーになっちまった。
一方で、俺は、やればやるほど、財界の名士と距離が近くなり、
もう日本経済は、頭打の声を、聞かされていた。
そして、絵に描いたように、ダウは、40000円に届かず、暴落し、
その後、立ち直ることはなかったのだ。
俺は、でも、読んでいた。
ダウは1万円割れするだろうと、20年前から。
その予想は的中したというより、財界の名士たちの声を集めて、分析すれば、
当り前の数字であった。
成熟社会で、株は上がらない。投資対象が、さほど貨幣価値に差がでないからだ。
しかし、こんなに低迷が長引くとは思いもよらなかった。
この不況の陰に隠れていたのが、
自然災害であることを、誰も予測できなかったということになる。
夜景の奇麗な高層マンション、ハイテクな車、ガールズコレクション、アンチエイジング、男のプライド、今となっては、何の役にも立たない。
イメージばかり先行し、人が生きることの真髄を上っ面のベールで、くるむことに走りすぎて、
いざ、こうして、災害が起きれば、
ちょっとした、炎、毛布、おにぎり1個、なんと幸せなことか。
俺も、ここ数年、よそゆきの服など買ったことがない。
強いてぜいたくしたのは、ギターぐらいか。
日本という国が、常に、大地震という恐怖にさらされていたのに、
普段は、目先の欲求を満たすことばかり、考えてきたことが、
この危機を招いて、多くの被災者を出してしまったのだ。
チャラチャラする施設ばかり、増やす余裕あるなら、
なぜ、もっと、頑丈な堤防や防災施設を作らないんだ。
ヨーロッパで見つかった、山の中に、
1000人以上も暮らしていたといわれる、地下集落があるそうだ。
なんらかの自然災害で、きっとそこで、長い間暮らしていたのだろう。
1年や2年暮らせる、地下シェルターを作ることが優先だ。
病院、防災施設、それに伴う人材育成、これからの課題だ。
そのことを踏まえて、経済復興していかなければならないのだ。