サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

全仏が決着ついた

関東も梅雨入り。
 
そして、昨日は、テニスの4大大会の一つ、フレンチオープンの男子決勝で、
勝者がどっちに転んでんも、歴史的大記録が、誕生するという、
特別な日だった。
 
昨年から、力をつけてきた、ジョコビッチは、4大会連続優勝を、43年振りかつ、自分自身、生涯グランドスラムという偉業がかかっていた。
そして、ディフェンディングチャンプのナダルは、
全仏通算7度の優勝がかかった、ボルグの6度の優勝を、塗り替えるという、
これまた、フレンチオープンの31年ぶりに歴史が変わる大記録がかかっていた。
 
テニスは、なかなか難しいスポーツだ。
ラケットさえあればできる、手軽さはあるが、
そうやすやすと勝てるものではない。
 
現代テニスは、一言でいえば、スピードだ。
テニスの技術よりも、身体能力が問われる。
陸上の短距離でもやるようなスピードで走らないと、
相手の打球も拾えないし、
勝負をかけるにも、
速いボールのフォアに回り込んででも、
思いきり打たないと勝てない。
 
30年前の、俺が、テニスに興味を持った頃の、
マッケンロー、ボルグ、ベッカーらのテニスとは、明らかに違う。
それは、スピードだ!
 
走る量が、歴然、多い。
 
そして、打球も速い。
 
それを捕球するだけのフットワークが問われるのだ。
 
偶然、GAORAで、1981年の
ウィンブルドンの決勝が放送されていた。
マッケンローの俊敏な動きが、
WOWOWで映っている、ナダルジョコビッチに比べたら、
半分ぐらいのスピードに見える。
 
昨夜、遅く、2セット連取したナダルが、
3セット目から調子を落とした。
ジョコビッチが、攻略を開始したように思えたが、
雨で、ボールが水を含み、
スピン系のナダルには、不利な条件になっていた。
ところが、ジョコビッチは、フラット系で、ガンガン打ちこむため、
回転など関係なかったのだ。
 
結局、雨で、試合は順延となり、
こんなところも、大記録がかかった試合では、
あり得そうな、シナリオだったといえる。
 
しかし、準決勝では、あの王者フェデラーを、
あっという間に、下したジョコビッチが、
ナダルには、劣勢の時間が長い。
 
俺的には、ジョコビッチナダルが、準決勝で、当たって、
ナダルが勝ち、
決勝で、フェデラーナダルに勝てばというのが、
フェデラーのドローとしては良かったんだろうと思った。
しかし、ナダルジョコビッチは、ブロックが完全に違うため、
決勝に行かない限り当たることのない、ドローだったわけだ。
 
そこへ、この大記録のかかった大一番で、
まさに、レッドクレーの女神は、
ナダルに微笑んだ。
 
途中、ジョコビッチは、苛立ち、ベンチの広告をラケットで壊した。
 
こんなところも、まだ、王者にふさわしくない、態度である。
 
悔しさ、未熟さは、テニスでとり返すしかない。
 
ただ、俺も、ここ数年見てて、最も、攻撃力あるプレーヤだと、
ジョコビッチを見てて思う。
ストロークの威力とコントロールは抜群だ。
それをナダルが、
フットワークで、凌ぎ続ける場面を何度見たことか。
 
勝利への執念、子供のようにボールを一所懸命追う姿。
 
そんなナダルの、誰にでもできそうな努力が、
多くの人々を感動させ、ファンを増やしたことだろう。
 
フェデラーの華麗なプレー、ジョコビッチの弾丸ストローク
どちらも素人には、真似できない。
 
しかし、ナダルの一所懸命に、ボールをあきらめずに追うことは、
たとえ、ボールがネットの向こうに返らなくても、
我々、アマチュアプレーヤーなら、出来ることだ。
 
んー、そうだな、こんなところが、
今の日本人の欠けているところかも。
バブルに甘んじ、
自分で、働くことを忘れてしまったのだ。
 
日本人がなかなか、プロテニスで勝てないのも、
国民性の影響かもしれない。
 
でも、ナダルの祖国スペインでも、
今、4人に1人が失業している。
 
テニスと経済は、あまり因果関係はないのかな。
 
自然災害のみならず、
経済もまた、先進国で、大きな悪影響を及ぼし始めている。
 
次は、ロンドンで、ウィンブルドンテニス、そして、ロンドン五輪でも、
大きな感動が、
ほんのひと時、苦しい人々を、開放してくれるかもしれない。