微熱、咳、鼻づまり、耳管に、
あちこち、やられてしまった、この1、2週間。
ようやく、薬がきいてきて、鼻は止まったようだ。
アレルギーの人は敏感らしいんで、
性格的にもちょっとしたことが、気になり、
病を重く感じるようだ。
そんなんで、少し、リラックスしようかと、
暖簾をくぐった。
この店の生ビールは旨い!
冷え具合がいいせいか、まず2杯、飲むね。
カウンターの上からぶら下がっているメニューに、
「カキフライ」
と札がぶら下がっていた。
懐かしいな。
やつは、いつもここで、
カキフライをオーダーしていた。
歯が悪くて、硬いのがだめらしく、
俺の好きな、ナンコツだのイカ焼きは、苦手だったんだな。
カキフライは、1人前5個だったんで、
いつもやつが、3個で、俺が2個だった。
ふと、そんな懐かしさすら、蘇って、
昨日は、一人で、カキフライを食った。
そして、忘れてはいけない、たこ唐。
ギターケースを、レジの横に、ねじり鉢巻きのマスターが預かってくれて、
やつと、ライブ前にいつもここで、飲んでいた。
カウンターの向こうで、一見、強面の板さんも変わらず、
スポーツ刈りのヘアスタイルで、
焼き物を担当している。
俺のこと、覚えていたらしく、
アイコンタクトで、
焼きあがると、すぐに皿にのせて、手渡してくれる。
他の客には大概、
「お願いしまーす」
と、駆けずり回るスタッフを呼びつけ、
カウンタ客にでさえ、スタッフが、客の後ろから「どうぞ」と、いうシステムなのに、
すぐに手渡ししてくれる、無口な板さんの最高の配慮なんだろうな。
この町で、生きてる自分がいる。
そうさな、以前も、アレルギーの咳が止まらないまま、
この店で、バイスサワー飲んで、気合入れてから、
咳しながらでも、Ovation Super Adamasa弾きながら、
ライブしたこともあった。
かっこいい、かっこ悪いもない。
ただ、ありのままの自分がいる、この大地と言うには大袈裟だから、
せめて、この町に、ありのままで。