「さかなー、さかなー」
と、日曜日の朝、ライトバンで、魚売りが、よくきたもんだ。
ほたて、うに、まぐろ、ミル貝、ししゃも。
など、よく買った。
そして、いつも、俺にこっそり、鯛のアラを、よこした。
ウニは、羽立てのウニが一番。
ふさが大きく、甘くてうまい。
類似してるのが、小川商店のウニ。
だいたい、この辺が、北海道国産のウニ。
赤ウニと呼んでいる、細かいふさで、小さいのがいっぱいあるのは、
アメリカ産で、値段も手ごろだが、適度にうまい。
パスタ料理にも合う。
小川のウニに似ていても、値段の安いのは、
韓国産。見た目は同じだが、味が苦い。
カサゴもフライにして食うとうまいんだよな。
それと、なんといっても、川エビの素揚げ。
天然の川エビは、このライトバンの魚屋か、近所のスーパーに一度だけ、
おいてあっただけです。
サッと揚げて、塩かけて食うのがうまい。
そんなある日、桐箱に入った、ししゃもを見かけた。
値段は、マグロなみで、
10匹入りで、2800円。
2度と食うこともないだろうという代物だった。
それと、ししゃものオスもまた、格別な味わいがある。
脂が多く、身もたくさんついていて、
卵はないが、あゆの小さいの食うよりも、
こっちのが食べ応えがあると言える。
しかし、いつの間にか、この魚屋はこなくなった。
毛がにを選ぶとき、大きさよりも手に持って、重いのを選ぶことを教えてくれた。
身やみそが一杯つまってるから、重いのがあたりだと。
そして、ししゃもは、本ししゃもで、
スーパーのアラスカ、北欧などのしなびた黒いボディ、目玉のギロっとしたのではなく、
本当に、魚らしい、まん丸の目で、薄茶色の肌をした、ししゃも。
このししゃもだから、焼くだけで食える。
北欧産とかは、マヨネーズでもつけないと食えない。
太刀魚も、骨の鋭く大きいのにも関わらず、
なんて、やわらかく、適度な苦さのある味なのかと。
若狭カレイは、大き目のさっぱりした味が塩焼きでとてもおいしかった。
こうして、サダチルのグルメ時代は終わった。