どこかで、見た男が、俺を蹴飛ばして、通り過ぎていった。
すぐに、追いかけようとしたが、体が動かない。
膝、肩の痛みがあるせだろうか?
近くにいた、知り合に、
「おい、アイツを捕まえろ!」
と、何度か、叫んでみたが、
俺の声が、全く出ていないことに気が付いた。
二度寝から、目が覚めた。
時々、体が金縛りになる夢を見る。
偶然、午後、NHKで、そんな特集の再放送がされていた。
UFOにアブダクションされたとか、
幽霊が出て、金縛りにあったとか、
催眠術で、記憶をよみがえらせ、証言を取り出せるというが、
催眠では、実際の記憶だけではなく、それを拡張したり、しているため、
正確なものではないという。
睡眠が浅いときに、現実以上に、
現実の出来事のような、夢体験をしてしまうことが、
人間には備わっていて、
それを覚えているケースを
false memory(偽りの記憶)
というそうだ。
また、親が、子供に、
「あなたは、小さい頃、こうだったのよ」
などと、少し、脚色を織り交ぜて、説明したりするため、
それを、その子供は、本当だと思ってしまい、
現実は違うのに、偽りの世界に、書き換えられてしまうという。
自分の思い込みだったり、
大したことじゃないのに、大げさにとらえたり、
勝手に縛りを作って、気を使い過ぎの世間にしたり、
それは、
どうやら、そんな正確な記憶を、
不正確な記憶へ変えてしまう、
人間の脳の機能によるものだということ。
世間の荒波も、また、そんな狂わされた記憶で、
おかしな行動をとる人たちが、ゴチャゴチャにしているんだよ!
目を覚ましましょう!
起きているときに、目の前で、見えている世界だけが、
現実なんだよ!