サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

鈴木康博(Yass)~50周年ライブ~オフコースの3人目を見た

これほどまでに,もっと演奏してほしい,と思ったコンサートは,かつてあっただろうか...

鈴木康博 デビュー50周年記念ライブは,コロナの影響で,2年間延期され,50(+2)th と題され,開催の日を迎えた.

f:id:sadachilucia:20220116230213j:plain

会場は,かつしかシンフォニーヒルズのモーツァルトホール.

毎年,伊勢正三 バースデイライブが開催されるホールで,サダチルシアの家からも近いので,ほぼ,毎回,見に行っている場所.

Yassの都内のライブは,今まで見たのは,渋谷,原宿,日本橋あたりで,年1回のバンド形式のときだけ,見に行っている.普段は,ギター弾き語りで,一人で全国を回っているようだが,やはり,オフコース時代の曲を,バンド演奏で聴きたいというファンも多いことだろう.本人は,「俺の評価はそこか」と,あまりいい気はしていないMCを語ることがあったし,そのMCが,ライブCDにも収録されているほどだ.

f:id:sadachilucia:20220116232123j:plain

十里の九里」というニューアルバムをリリースしたばかりで,大方,このアルバム主体のライブかと思っていたが,...その展開は?

f:id:sadachilucia:20220116232551j:plain

座席は,9列目のほぼ中央と,かなりいい席だ.オミクロン株の急拡大で,キャンセル席も出たようで,ステージに近いところにも空席があった.
ほぼ定刻どおり,16:30頃開演.

ステージのスクリーンに,オフコースで,デビューしてからの最新作までの作品が1小節ぐらいずつ,当時のYassの写真とともに,切り替わっていく映像が映し出され,幕が開く.

ステージには,なんと!

Yass がギター1本で,1人ではないか!

驚きのオープニングだった.大概,バンド形式で,活きのいい,サウンドの楽曲からスタートするのに.今回は,オフコースのデビュー曲「群衆の中で」の弾き語りで始まった.この曲は,オフコースのオリジナルではなく,当時,YAMAHAフォークコンテストでデビューのアーチストは,山上路夫さんの作詞でデビューという縛りがあったと,聞いたことがある.

2曲目は,「ロンド」.Yassオフコース時代のナンバーとしては,ドラマの主題歌にも選ばれた知られた曲のようだが,サダチルシアは,中学生のとき,オフコースを聴き始めた頃から,なんとなく,あまりこの曲は,馴染みがないのである.

3曲目で,バックミュージシャンの物陰が見えて,ピアノに,細井豊さんが座り,奏で始めた.

汐風の中で

遅咲きのオフコースが最もメジャーとなったシングル「さよなら」のB面収録曲.

サダチルシアは,この曲は,大好きで,ライブハウスで何度か弾き語りしたものだ.

イントロからして,美しいピアノの音色で,間奏のYassのギターソロも素晴らしいテクニック! やっとこの曲を生で聴く瞬間が来た.Yassの曲で,一番,聴きたかった曲なんだ.普段のコンサートでもめったにやらないのだろう.

4曲目で,いよいよフルバンド演奏となり,「夜は2人で」.のりのいい曲で,ポール・マッカートニーウィングス時代の「silly love songs」を彷彿させるようだ.

これまでの流からすると,どうやら,時系列順で,Yassの曲をその時の節目で,選んだかのようだった.

その後,オフコースを脱退してからの曲となり,「愛をよろしく」というソロ1作目を演奏後,ゲストコーナーとなった.

杉田二郎戦争を知らない子供たち

中学時代の音楽の教科書に出ていた曲だが,今この時代こそ,この歌の重要性が再認識すべきだろう.核保有国の開発は進んでいる,ミサイル実験は頻繁に行われ,完全なる平和は,人類にいつ訪れるのだろうかと,考えさせられる.杉田二郎の声は,低音で野太くて,ご健在のようだと実感.

白鳥英美子さよならが始まり

1990年ごろ,PARCO劇場Yassのライブで,白鳥英美子さんとデュエットしたそうで,「あなたとともに~10th Anniversary」に収録されているようだ.

白鳥英美子さんと言えば,トワエモア札幌五輪のテーマ曲はもちろんだが,ある日突然,誰もいない海,など有名な曲が結構ある人だ.今回,もっとも印象に残った場面かもしれない.

松尾一彦一億の夜を越えて

元は,鈴木康博小田和正でデビューしたオフコース.細かくいうと,地主さんという方もいて,3人で,ジ・オフコースだったと聞いたことがあるが...中々,ヒットに恵まれないまま,同じ事務所の後輩の「かぐや姫」が大人気となり,前座もやったこともあると,南こうせつの還暦ライブで,小田和正がゲスト出演した際に,語っていた.その後,ドラムの大間ジローと知り合い,松尾一彦がレコーディングでハープで参加をきっかけに,清水仁がベースで,5人編成となった.松尾は,オフコースのコンサートで,余興の役割もしていて,長嶋茂雄の引退セレモニーの真似を,田園コロシアムのライブのときやったという.

榊原大:曲名わかりません

Yassのソロになってから,ピアノでライブサポートもしている人です.芸大ピアノ科の筋金入り音楽家.見た目が若いのですが,「小学生のときオフコースの大ファンになった」と語っていたので,サダチルシアより,4つか5つぐらいの歳の差でした.

岡崎倫典:曲名わかりません

Yassのソロ作品のアルバムで,ギター演奏しているのでしょうか?長い付き合いのようです.フィンガースタイルのソロギターの本が,結構,Amazonで,南澤大介さんなんかと同様に,何冊か販売されているのを見かけます.サダチルシアは,まさに,このソロギターからさらに,フラメンコソロへの転身に,今,取り組んでいるのです.

林家木久蔵:語り

笑点でお馴染みの林家木久扇さんの息子さん.今回のニューアルバム「十里の九里」のうち2曲,作詞担当という,落語とは別の才能もあるようで,父の木久扇師匠も,「空飛ぶプリンプリン」を作詞して,Yassが曲を書き,NHKみんなのうたで,流れていたこともあるし,親子で,いいお付き合いしているみたい.

とまあ,ゲストコーナーも充実していた.ようやく,オフコース鈴木康博小田和正以外のメンバーを見ることが出来た.再結成してほしいね.会場のどこかに,小田さんがこっそり見に来ているのでは?と,期待してしまったほどだ.

さあ終盤は,Yassのソロ作品で,ノリのいい曲,バラードで埋め尽くされた.いつになく,演奏のクウォリティが高く,いつまでも聴いていたいと思った.

素敵にシンデレラコンプレックス」は,郷ひろみとはまた違った,Yassのギターワークの素晴らしさを感じさせる大人の仕上がり.

サッカー日本代表城彰二がワールドカップで奮闘する姿を歌にした「孤独」も,ほぼ毎回,演奏されているが,今回はヤケニいい.

最後に,ニューアルバムから,「映画」がギター弾き語りのみで演奏され,アンコールへと.定番「燃ゆる心あるかぎり」.いつもなら,最後に,バンド全員で,オフコース時代の雰囲気で演奏する「でももう花はいらない」を,今回は,鈴木康博 一人で演奏し,50周年記念ライブの幕は閉じられた.この曲は,オフコース時代のYassが初めて作った曲だったと思われます.

本当に,素晴らしいコンサートだった.

このまま,何時間でも聴いていたい,そんな気がした.会場の雰囲気も,忙(せわ)しない雰囲気がなく,ゆったりと案内する係員の接客する姿が印象的だった.駐車場の係員も丁寧だった.手袋が1個見つからなくて,「あれ,手袋1個ないぞ」とそわそわしていると,「もう一度,ゆっくり見回って下さい」と,入庫,出庫で,急がせない神対応でした.

そして,今回発売のニューアルバム「10里の9里」は,オフコース時代に戻ったような楽曲のような雰囲気がある.コーラスが際立っていて,オフコース時代のハモリに近いせいかもしれない.

いつも演奏される,「ラナウェイ」「のがすなチャンスを」「いくつもの星の下で」などオフコース時代の曲は演奏されなかったが,不思議と今回は,ソロのYassの曲がとても良かった.50年のうち,オフコースは12年の活動だったのに,大きなインパクトを与えたからこそ,なかなか,ソロ時代38年間の曲への期待は,それを超えていかないのかもしれない.Yass自身,ソロ弾き語りスタイルに意を決したのは60才のときだという.この頃の作品「海辺にたたずんで」は群を抜いて,名作である.男なら誰もが,こんな思いにぶつかることだろう,そんな男の心情を見事に描いた曲.今回のアンコールでも歌ってくれた.そして,なんとなく涙声になっていたような印象だった.

f:id:sadachilucia:20220117014607p:plain

会場でパンフレットが販売されていた.

偶然にも,伊勢正三さんが,メッセージを寄せていたページがあった.

モーツァルトホールは,パワースポット.

サダチルシアが中学生の頃から,追いかけてきた,アーチスト,伊勢正三鈴木康博が,こうして,自宅から近い同じ場所で見れるのだから.

                          by サダチルシア