ボーナスでたか?
なんて、サラリーマン風の会話が、消えつつあるのかもね。
今日は、きっと混んでると思い、あきらめていたが、
やはり、この暖簾は裏切らなかった。
今日は、ホッピー杯だぜ!
ママさんは、俺と同じ、下谷中学出身。
「仕事どう?回復した」
サダ「いや、もう何を考えたって、どうにもならないよ」
貧困へと、向かう、世の中が到来しようとしているのかもしれない。
先進国 日本のはずが、もはや、その様相も危うい。
せめて、こんな暖かい暖簾があるだけで、救いではないか。
ここも、なかなか、飽きない、味だ!
かくして、己の今まで生きてきた47年近くなる人生。
1人、まじめに生きたところで、どうにもならないと、つくづく思った。
そして、今も、こうして、何もわからなかった中学時代の童心の頃のように、
同じ町で、ぶらりしていることのほうが、目が覚めてるってもんだ。
出世、努力、学歴、地位、それが、何だってんだ。
明日の飯、水、電気、があるかないか、困ってる人が、たくさんいる。
まだまだ、贅沢すぎるぜ。
帰宅後、郵便受けをあけると、ピンク色の封筒が、新聞にまぎれていた。
娘からだった。
もう高校生か。
俺がまだ、この入谷あたりをうろついていた頃よりも、大きく育ったていた。
俺は、高校時代と言えば、部活もやらない、予備校もいかない、
強いていえば、伊勢正三というアーチストのおっかけだけは、やっていた。
ギターも大して、旨くならなかったけど、どっぷり自分の世界に浸ることを、
この年になっても貫いてきた。
世の中が変わろうとも、俺は俺。
娘も俺に似たようだ。
学園生活とは別に、自分の夢を、追いかけている。
世の中や、周りが、どんなにダメになっても、
自分の夢は、終わったわけじゃない。