サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

七斥...一体何なんだ?

 
北千住の居酒屋だった。
 
ちょうどいいぐらいに、客で埋まり、
店主もご機嫌な顔つきで、
調理場から、馴染みの客と話相手になり、作業していた。
 
店主「今日、これから、隕石が、落ちて、大爆発するんだね~
と、何やら、独り言のようだったが、大きな声なんで、
店内の客、全員に聞こえているようだった。
 
店の片隅の高いところに、
テレビ、が置いてあり、客から見える。
そこでも、隕石落下予測の報道で、持ち切りだった。
 
そして、遂に、テレビの映像は、
その瞬間をとらえた
 
スカイツリーの後方に、
紫色の光と、煙が、爆音とともに、噴煙を上げて、
街を衝撃する映像だった。
 
店主「おー、ついに、落ちたね!」
と、こんな恐ろしいことが、起きたのに、
なぜ、ニコヤカに、しゃべっているのだろうと、不思議に思えてならなかったが、
そういう俺も、テレビの隕石の爆発を、ながめて、酒を飲んでいた。
 
居酒屋を出ると、夜のはずが、
隕石で、天体異常でも起こしたのか、
外は、昼間の曇り空のような、天気だった。
 
あるお寺に、親戚で、集まりの日だったので、
北千住に、早く着き過ぎてしまい、
時間調整で俺は、居酒屋に寄ったら、
隕石落下の知らせを、テレビで、ミタのだった。
 
寺に着くと、
神主に、参列者たちは、皆、
三角錐の形をした、木彫りの小物に、
 七
 斥
と彫られたものを、順番に手渡していた。
 
神主はそれを受け取るたびに、安堵感に満ちた、笑みを浮かべた。
 
しかし、俺だけ、それを持っていなかった。
一体、どこで、あれを手に入れてくるのだろうと、
疑問に思いつつ、あたりを見回し、
 七
 斥
の小物は、落ちていないか、探してみた。
 
ふと、それらしき物が、
焼け焦げた、家の木の柱だのが、積まれたところに、見つけた。
きっと、隕石落下の破片の熱で、火災が起きて、
全焼した家の残骸のようなところだったのだろう。
 
木の彫り物も少し、焦げていたが、
これなら、何とかなるだろうと、
拾い上げてみた。
しかし!
 七
  斥
のように、三角錐の小物の縦に並んだ二文字は、
俺のは、少し、「」の字が、右横の側面にずれて彫られていた。
 
「まあ、いいか」
と思い、神主のところ持っていった。
 
不安だったが、
神主は、
安堵感に満ちた顔で、
「これじゃ、実にいい」
と、三角錐の彫り物を手にとって、眺めていた。
 
俺は、何やら、開放感に包まれ、
一難去ったのだと、悟った。
 
気が付くと、いつものように、仕事をしていた。
隕石落下が、嘘のように、
恐怖感や傷痕もなく、
街は、軌道にのっていた。
 
ベテランの社員さんから、
いろいろ、注文をつけられ、
イラっときたが、
その背後にたたずむ、天使のような女子社員が、
静かに、気づかれないように、
俺を上目づかいで、見ていた。
 
 目を覚ますと、
夢を見ていたことに気が付いた。
 
昨夜、TOKYO MXで、
タイガーマスクの再放送を見て、
すぐ寝てしまったのだった。
 
まだ、うすら明るい、明け方だった。
風呂に入って、もう一眠りして、
今日は、久々、2年ぶりかな?
休日出勤という、
仕事に向かう日だったのだ。
 
そうさな、夢ではあったけど、
隕石落下なんて、
もともと、何年、何百年、地球上で、
雨のように降り続いたこともあったはず。
 
人類となってからは、
派手な隕石落下が、少ないから、
恐怖におののいてしまうが、
地球、星が生きているのなら、
また、頻繁に、隕石なんて落ちてくるのが、当り前になるときが来るだろう。
 
そして、この夢の中の居酒屋のテレビ報道のように、
隕石注意報なんてのも、字幕にでて、始まることだろう。
 
わんさとある仕事にもがいているほうが、
どんなにか、平和なことかと、
今日は、仕事しながら、
この夢の
の謎の彫り物が、ちらつきつつも、
アベノミクスの経済成長の前兆に、
勤しんでいた。