休肝日明け、雨も今日は降らないみたいだし、
栄養補給。
人気店と聞いていたんだで、入れないと思っていたが、
なるほど、忘年会シーズンで、
団体客向きではない居酒屋は、空いているようだ。
頑固オヤジで、
口もきいてくれねえ、
イチゲンさんには、ろくなものは出さない、
そんな店かと思ったら、
そんなことはまるでなかった。
スタッフが数人いるのに、
大将みずから、一人ずつまわって、
「お出しするもの、もう少しお待ちください、次、はいりますので」
と、腰が低く、準備していることを、伝えて、また調理に戻るスタイルだった。
すでに、おれはラーメン食った後だっったんで、
お腹が苦しかったが、こんな人気店、
今度いつ入店できるかわからないので、
ほしいものを全部オーダーしてみた。
なるほど、寿司屋のような店構えで、
ちょっと入りずらい高級感があるが、
秘密は、この接客術にあったんだな。
店に入ると、さほど、堅苦しくなく、
綺麗な店内は、和やかで、居心地よかった。
サービスで、必ずひと品つけてくれるようだ。
お勘定すると、
大将が、外へ出てきて、
「この辺の方ですか」
と尋ねてくる。
どんな客にもそうしているようだ。
いろいろ、立ち話していると、
「自分も次男で、店をもったとはいえ、ここは、女房の実家なんですよ」と。
これだけ、いい仕事しているのに、職人の気負いもなく、
この人は、まさに、マスオさんなんだと思った。
俺の身の上話をすると、
「マスオさんみたいなもんで、女房にはすぐ謝っちゃうんです」
と、長続きする夫婦の秘訣を語ってくれた。
久々に、心地よい店見つけた。
人気店なんで、今度いつ入れるかわからないけど、
マスオさん姿勢、見習うとしよう。