サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

全仏テニス男子決勝はワウリンカ~綾鷹ウマイ

テニス4大大会の1つ、
全仏オープンが終了した。

選手にとっては、最も、険しい、
なかなか、このコートを制することができず、
グランドスラムに届かなかったケースは多いだろう。

今年は、5連覇中のナダル不調の中、
ジョコビッチがほぼ、これで、生涯グランドスラムに届くと
見られていたが、
最後の最後で、番狂わせが起きた。

ジョコビッチと言えば、精密機械のような完成度の高い、
コントロールで、いつの間にか優位にたち、
今では、フェデラーの記録を塗り替えるかという勢いの
ナンバーワンだ。

しかし、このレッドクレーの決勝で、
スイスのワウリンカに負けた。

現代テニスは、バックハンドストロークは、
男子も両手打ちが圧倒的に多い時代に、
スイスの、フェデラー、そして、このワウリンカも、
未だに、シングルハンドで、バックのボールを打っている。

バックハンドは、どんな人も、苦手といっていいぐらい、
まず、テニスの世界じゃ、
ゲームのときは、
相手のバックへボールを配給し、
崩していくのがセオリー。

その片手バックハンドの不利な、ワウリンカ、しかも、
世界ランキング、メジャー大会での優勝回数ともに、
ジョコビッチに比べれば、大したことない選手。

もはやテニスの歴史を塗り替えるのも秒読みの
ジョコが、なぜ、ワウリンカに敗れたか

これが、ニュースなんだ。

ナダルを準決勝で、ストレートで破り、
もう盤石の思いで、
決勝へいどんだはずのジョコビッチ

1.ストロークの精度はほぼ問題ない
2.ファーストサーブの入りが、悪い
3.ワウリンカンのパスに一歩届いていない

この3つが敗因。

1.ストロークは、抜群の完成度ははいつもどおり。
これは、相手からは、もう織り込み済みだから、
決めてにならない。

2.のサーブだが、今、ジョコのコーチは、
俺の一番好きな、テニスプレーヤー

ウィンブルドンで17歳で、チャンピオンというこの記録は
未だに破られない。
俺はちょうどそのとき、テニスを始めた。
ベッカーのサーブは魅力的だった。
紳士のスポーツを覆す、
パワーテニス到来の新時代を告げた、
ブンブンサーブと称された。

そのベッカーが、昨年から、ジョコのコーチになり、
ジョビッチ自身はさほど、サーブ力はないが、
やはりベッカーの指導を受けてから、
サービスエースのポイントが増えた。

しかし、この決勝戦の土壇場で、
サーブは入らなかった。

そして、3つめの要因、
いつもなら、あんなボール無理だろうっていうのを、
抜群のフットワークで、さらにそれを厳しいところへ返す、
ジョコビッチの足が、あと一歩届かなかった。

ワウリンカにパスは、片手のバックから、
ショートアングルへ来る、厳しい角度だった。
これは、両手バックハンドの選手では、なかなか生まれないショット。
両手のほうが、全体的に返球率は高いが、
スピンがかかるため、球足が遅い
ところが、
シングルのバックから繰り出すボールは、
ぐりぐりにはスピンがかからず、
フラット気味で、
無理に入れてくるやや速いショットであるため、
リスクはあるが、
これが入ると、
フットワークでは、追いつかない可能性がある。

まさに、ワウリンカのバックは、
同じスイスの王者フェデラーのような器用なショットとは違い、
パワーのある打球が多いため、
ジョコビッチも、その対応力に、
苦しんだと思われる。

両者の体格を比べても、
ワウリンカは、体が大きく、
堂々としている。

ジョコビッチ自身は、
小さいわけではないが、
筋肉質で、
締まったボディだが、
2年前に比べると、
かなり、スリムに絞り込んでいる気がする。

このあたりが、昨年、
USオープンで錦織に負けたのもそうだし、
ワウリンカに負けた理由の一つかもしれない。

見た目は、締まっていてカッコいいが、
現代テニスは、グランドストローク中心。
パワー、スタミナがものをいう。
ましてや、ジョコビッチは、アレルギーの持病で、
食に制限があるというではないか。

タフな長時間の試合、炎天下では、
不利になる。
むしろ、その体でよく、
ここまで、テニス界に君臨しているもんだと、
それを称えたいほどだ。

でもね!ここが大事なんだ。
いい人になっては、テニスは勝てない。

決勝終了後のセレモニーで、
多くのオーディエンスが、
ジョコビッチへ惜しみない拍手を、
いつまでもなりやまないほど、
贈り続けた。

まさにジョコビッチはいい人になっていた。
そして、勝った、ワウリンカこそ、
悪者。

相手が頑張っても、頑張っても、
どうしても勝てない状態へ
おいやるのが、テニスという
スポーツの中でも、
最も、敗者に苦しみが伴うスポーツなんだ。

暑い日が続いたが、
いよいよ梅雨入り。
バス通勤の回数が増える。

水出しのお茶が旨い。

なんていうようでは、
俺も歳かな。