サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

あふれる愛の街~まるで神様がいるようでした

年目になるか。
この街に越してきてから。

今日は、いつものテニス
が、いつものテニスというわけにいかなかった。

隅田川神社の祭りで、
出店が、半端じゃない数。
例年よりも店舗が多いせいか、
ぎっしり、露店が並び、テニスコートへ入るまでが大変。
いつもなら、少しは、店と店の隙間があるのに、
今年は、なんか大きな祭りだったのかもしれない。

今日は、2時間だけ、テニス。
最後にゲームをしていたら、
とうとうやってしまった

大ホームラン

から揚げ屋さんのテナントに当たり、地面でバウンドし、
調味料の入った、ガラスの入れ物に当たり、
落ちて、割れた。

すぐさま、ネット越しに仲間が、状況を見てくれた。
すると、露店の人が、
「なんか、ガラス割れたみたい」と。

ヤバ~
と思い、すぐさま、から揚げやさんのところへ謝罪しにいった。
若いアルバイトのお兄さんで、
何もなかったような顔して、
せっせと、割れた瓶を片付け、
清掃していたので、どの店の人かわからなかった。
周囲の店の人も、何事もなかった顔して、
楽しいお祭りの雰囲気をこわさぬよう努めていたのだろうか。
そんな様子だった。

若いお兄さんに
「弁償します、調味料どこかで、買ってきましょうか」
ときくと、
「もう1本あるんで大丈夫です」と何食わぬ顔していた。
テニス仲間のもう1人も一緒にきてくれて、
まず、こぼれた調味料の清掃を手伝った。

現金を手渡そうとしたが、受け取る素振りも見せなかったので、
「せめて、唐揚げ買っていきますよ」と言って、
ちょうど、テニス後、皆で、祭りの店で飲食物買って宴会の予定だったんで、
つまみに買って、謝罪をして、テニスコートのはずれへいき、
宴会に入った。

テニス仲間も、割り勘でいいよと、
唐揚げやさんに払ったお代を人数割りしてくれた。

ほとんど俺の責任なのに

唐揚げ屋さんの、若い、お兄さん、
文句ひとつ、どころか、
その目つき、表情にすら、怒りとか、
そんなオーラもなく、
まるで、神様のような人だった。

普通なら、
露店の裏のテーブルで飲んでる客にしても、
「危ねえな」の一言も
飛んでくるはずなのに。

皆さん、楽しそうに、
お酒の嗜み、イカ焼きやお好み焼きを食べていた、
小さな子供たちも、無邪気に、かき氷をたべたり、
走り回っていた。

そんな幸せそうなみなさんを、
俺はぶち壊してしまうところだったんだ。

見て見ぬふりをしてくれて、
そして、許してくれたんだ。

ほんと、ここには神様がいるような気がした。

あー、俺は、バカだね、未熟だね。

週末、有り余る力を、テニスにぶつけて、
「今日は、金網越えしたら、危険だ」
とわかっていたのに、
最後の最後で、ゲームで熱くなり、
バカうちしちまった。


この街にきて、
いろんなことがあった。
テニスを通して、多くの仲間、友人ができた。
隅田川沿いに、立ち並ぶ、多くのテニスコート
川風に吹かれて、9年間、この街で生きてきた。
時には、未熟な俺を叱ってくれた人もいる。

そして、今日は、
やさしさと愛に触れた気がする。

幸い、小さなお子さんにボールが当たらなくてよかった。
お店の人たちも、コートサイドなんで、
ボールが飛んでくることぐらい、織り込み済みなのだろうか?
おれがこの街に来るずっと前から、
ここで、毎年、祭りのときは、商売に来ているのだから、
慣れたものかもしれない。

誰ひとり、騒ぎ立てるものはなく、
むしろ、俺たちのほうが、かえって、事を大きくしてしまったかのようにさえ、
思えてきた。

神の御加護

そんな言葉が、浮かんできた。

テニスコートの外で、飲んでいると、
通りがかるひとたちも、俺たちの、その姿に触発されて、
出店で、ビールと食べ物買って、
あちこち、シートを広げて、
飲み食いする人が、
ひとり、またひとり、増えていく。

穏やかで、やさしい時間が、
こんなにも感じ取れたのは、
何年ぶりだろうか。

改めて、己の心の貧しさを知り、
精進した人の心というものは、
こんな落ち着きを持った、
やさしさと愛情を無意識に抱いていて、
許しあう懐の深さを持ち合わせている、
神様が棲んでいるような心なんだと知った。