サダチルシア~sadachilucia’s blog

サダチルシア=サダチル(さだまさし+ミスチル)+パコデルシア

Saturday's Generation~失われた週末

去る5月に、日比谷野音で行われた、
杉山清貴&オメガトライブ のコンサートが、
WOWOWで、先日、放送されたのを見て、ふと思い出した。

さほど、ファンでもなかったのに、
いざ、テレビで、見ていると、
知らない曲はほとんどなかった。

そして、俺自身、こんなのを今でも、後生大事に持っている。

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River’s Island
というアルバムのカセットテープだ。

杉山&オメガというと、夏、海のイメージに、
どこか、切ない、都会の夕暮れに合う、作風が感じられる。

この頃、俺は、大学浪人していた、19歳の夏。
今から、36年前だシミジミするね。

予備校に通いつつも、高校時代の学友と、週末は、遊んでいた。
オッチロという医者のせがれが、親御さんの購入したばかりの
セカンドハウスのマンションで、
10代最後の夏を過ごした。

日比谷線神谷町駅を出て、愛宕山トンネルのある通りの、
レンガ色のマンション。
バルコニーからは、
絵に書いたような、
東京タワーが、見上げるようにそびえたつほど近くに見えた。
六本木も隣駅だったので、ディスコへ通ったりした。

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今の六本木交差点は、こんな状態だ。
当時は、TBS金曜ドラマ「夏に恋する女たち」がヒットしていて、
主演の田村正和が、六本木のマンションに住むバツイチのカメラマン役で、
住人といろいろ、ドラマが繰り広げる、
コミカルタッチで、洗練された大人の世界に
憧れたもんだ。

独身、バツイチ、マンション一人暮らし、
まさに、このドラマのような人生を実演してしまうことになったわけだ
って、高校時代の同級生に、同期会で、言われたのを覚えている。
オッチロも、親の後を継ぎ、医者になっていた。
そして、この神谷町の思い出のマンションは、手放したそうだ。

River’s Island
で、とりわけ好きな曲は、
SATURDAY'S GENERATION
と言う曲だ。

「SATURDAY'S GENERATION」
作詞 秋元康 作曲 西原俊次/杉山清貴

あのビルの右肩が パープルに染まれば
あと少しで朝になるわと 君は教えてくれた
この部屋の東から見下ろせる街並み
遠いブリッジを
通り過ぎてく 緩い車の流れ
......

という出足のフレーズがとても好きだ。
あの19の夏、過ごしたマンションの風景そのものだと思った。

ディスコへ繰り出す前に、
腹ごしらえに、生スパゲティ買って
フライパンで、いきなり焼いてしまい、
焦がしてしまい、失敗。
2つめ作るときは、
水で、少しほぐすことを知った、オッチロと、笑ったあの日。

深夜テレビで、
オールナイトフジなる人気番組が、始まった頃で、
明け方まで、何するわけでもなく、学友たちと見ていた。

夜更かしした明くる日曜日は、昼前に、ようやく目が覚めて、
どういうわけか、雨が降っていて、別れを惜しみながら、
それぞれ、家へ帰って行く。

大学受験も、将来のことなんて、どうでもよかった。
ジョンレ・ノンや伊勢正三のようになりたい、
そんな思いだけで生きていた。
心配事も何もなかった。

最も自然体で生きていた日々だった。

やがて、夏は、終わり、刻一刻と、
現実の受験の本番は迫ってきて、
浪人という実感よりは、
高校3年間の延長戦の、
高校4年生とでもいうのだろうか、
学友たちとの、
夢のような、都会のマンションで過ごす週末は、
いつまでも続くわけがないと皆知りながら、終わりを迎えたのである。

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バイトして稼いだ金で、買った、当時、大流行の、
SANYOのダブルカセットも、今でも後生大事に持っていて、現役で動いているので、
River’s Island
の収録曲、
SATURDAY'S GENERATION
今でも、こうして、聴けるんだ。