もう1週間過ぎてしまったが、先週の
万全の体制で、家を出た俺は、
チャリで、押上駅へ。
電車は空いていて、座れて、ひと安心とおもいきや、
ひと駅目の錦糸町についたとき、
財布は持ったし、梅雨時だから、折りたたみ傘入れたバッグは持ってるし。。。?アレ、何かないな。
ガーン!
チケット忘れた!
ことに気が付いた。
頭真白。「もういいや」と投げやりになり、
錦糸町で、下り電車のホームで、押上に舞い戻り、
地上へ出ると、タクシーが、待っていたので、
「すいません、忘れものをしたので、往復してもらっていいですか」というと、
快く、運ちゃんは、この無理難題を引き受けてくれた。
結構飛ばしてくれて、途中、信号にひっかかりそうになると、
前の車が、タラタラしてるのを見て、
クラクションを鳴らし、極力、信号待ち回避。
サダチル城到着するや否や、俺も走って、チケットをとりにいき、
すぐさま、またタクシーに乗り込んで、
言問橋までくると、ようやく心も落ち着いて、
せいぜい、10分遅れぐらいで、見れそうな感じになったので、安心した。
すると、運ちゃんも、緊張がとけて、
「どなたのコンサートなんですか?」と聞いてきた。
「伊勢正三って知ってます?」というと、
「いや、わかんないですね」と、俺よりは、少し年上の人のようだったが、知らないみたいだった。
なんて、言ってるうちに、押上到着。
さっきと同じように、地下鉄の半蔵門線に乗り込んだ。
またもや空いていたので、座れた、あとは、三軒茶屋へ着くのを待つだけ。
しかし、俺も、こんな経験は始めてた。コンサート行くのに、チケット忘れるなんて。
すぐにわかった。
17:10.
もう開演の時間だった。
しかし、まだ、会場は、音楽がなっていなかった。
どうやら、いつものように、定刻どおりには始まらないようだ。
着席し、1分もたたないうちに、場内が、真っ暗になった。
ギターの音色が、アルペジオか、リードか、わからないが、混じり、しばらく、
そのアンサンブルが続くと、少しずつ、幕が開き、
椅子に座って、ギターを奏でていた。
そして、押尾の背後に、ピアノの細井豊(センチメンタル・シティ・ロマンス)がいた。
そのまま、1曲目、イントロは、「22才の別れ」をナッシュビルチューニングで、始まり。
拍手と歓声が上がった。
2曲目、「暦の上では」を続けて、演奏。
そして、MCが入った。
「featuring 押尾コータローだけど、もう今日は、最初からずっと出てもらうからね」と、正やん。
「高校時代、歌本の中の人が、隣にいるなんて、幸せです」と、コータロー。
なんでも押尾は、高校時代、ギタークラブの部長だったそうで、
入部試験は、「海岸通り」を課題曲に選んだという。
「ボクじゃ、当時、入部テスト落ちていたかな」と、正やんのジョークで、海岸通りに入る。
ワンコーラス目は、普段唄うことのない、押尾が歌った。
とても、奇麗な声だった。本家の正やんよりも、旨かったりして。。。
「時の流れ」
「なごり雪」
を歌い終えると、舞台は、押尾一人になり、
押尾コーナーで、3曲ぐらい演奏された。
「戦場の目リークリスマス」をギター1本で、
パーカッション、ピアノが入っているかのように聞こえる。
素晴らしい世界だ。
再び、正やん登場。
イルカのデビュー曲に提供した、「あの頃の僕は」を正やん自身が歌う。
俺も、この曲が、大好きで、ライブで、よくカヴァーしたもんだ。
続いて、
その後、また、コータローの作品を取り上げ、
今度は、正やんとコラボ。
「僕が、入るまでもなく、1人で完璧の演奏だからね」と、押尾の原曲自体が、
1人で、ギター2,3本分の曲なので、正やんも、謙虚だった。
伊勢「押尾君は、一音一音が、丁寧だね。」というと、
押尾「正やんだって完璧じゃないですか」と。
伊勢「いや、ボクは、わりと、荒削りなんだ」というと、
押尾「んー、荒削りさが、また、完璧さでもあるというか」とフォローしたつもりが、
伊勢「なんだよ、結局、荒いって言ってるんじゃん」
と、正やんのどことなく、お茶目なあげ足をとる会話にまた、会場は笑いが起こった。
そのコラボ曲と同じような雰囲気をもつ、AOR調のかっこいい伊勢の曲
「夜のFM」を演奏。
俺も、この曲好きで、大学時代は、これをバンドで、カヴァーしていた。
さあ、舞台は終盤へ。
「復活、伊勢正三」と言われるのが、当時は、好きじゃなかったという40代前半に出た、
「海がここに来るまで」というLPから、3曲。
「バルコニーの休日」、「ほんの短い夏」、「レミングの街」。
やはり、正やんにとっては、このアルバムは、力作だったんだな。
その後、出たアルバムは、もうほとんど演奏してない。
押尾は、つい先日まで、NHK「趣味DO楽」でギターの講師の番組を持っていたのを終えたばかrだった。
課題曲で、「22才の別れ」を取り上げていて、そこでまた、伊勢が。
「あのイントロって、こうだろ」と、チョーキング気味に弾き、
「俺だってできんだよ」と。
実は、このイントロは、石川鷹彦が原曲のため、伊勢の演奏は、少し違うのでした。
当時の録音では、石川の演奏になっているから、
ライブで、伊勢が弾き時は、違うということを説明していた。
そして、遂に、最後の曲。
「海風」が演奏された。
途中、ギターの競演となり、
「まずは、ギター押尾コータロー」と、伊勢が、押尾を紹介。
「オン・ベース、押尾コータロー」と言うと、押尾が、ギターで、ベースランニング。
「パーカッション、押尾コータロー」というと、押尾が、ギターのボディや側板を、クラップ。
「小太鼓、押尾コータロー」というと、今度は、少し、パーカッションと違う、叩き方。
押尾が、ギターを三味線のような音色で、膝まづいて演奏。
大拍手の渦から、
また、海風の演奏に戻り、ひと通りの演奏が終わった。
アンコール。
「皆さん、毎日の生活の中でも、大変な思いをしていることもあるでしょう。でも、それを乗り越えて、これからも、歩んで行きましょうね」と、
「ささやかなこの人生」
を演奏。
続いて、押尾の「スナッピー」という、手拍子の5パターンぐらいのバリエーションを、あらかじめ、練習して演奏に入った。正やんは、ウチワをもって、ノリノリで、音頭をとった。
押尾「この企画、皆さんどうしょう、また第2回もやりたいですね」と。
そして、伊勢の作品、
「月が射す夜」
「お前だけが」
で、アンコールは、終わった。
まあ、大変な一日となった。
チケット忘れたときは、あきらめかけたが、
がんばってよかった。
しかし、老化現象は続いているようだ。
昨日は、修学旅行から帰った娘からメールが届いた。
「父の日だから、ゆっくり休んでね」と。
こんな言葉をもらったのは、9年ぶりだ。